風や雨あるいは雪などに晒される屋外の仕事では、防水作業服やレインウエアは必須のアイテムでしょう。この点、悪天候でもスムーズに作業を進めるためには、長時間の風雨に耐えられるような、機能性に優れた防水作業服を選ぶことが重要になります。
そこでおすすめしたいのが、ゴアテックスの防水作業着です。ここではそんな作業着について、メリットや選ぶポイントを踏まえながら、紹介しましょう。
防水作業着を選ぶポイントとは?
どんな天候の中でも耐えられる防水作業着を選ぶには、幾つかポイントがあります。まず最も重視すべきは、やはり防水性でしょう。雨の強さや量に左右されることなく、身体へ水の侵入を防ぐことこそ、防水作業着のいちばんの役目。
それだけに、防水作業着を選ぶ際には、防水性を重視することが、必要不可欠と言えるかもしれません。そして防水性を見極める際には、素材の撥水力や縫製の丁寧さ、あるいは雨の吹き込みをガードするような、構造上の工夫などで判断することも、とても重要になります。
防水作業着で長時間にわたり作業をし続けると、やがて服の内側が体温と湿度で蒸れ始めます。特に湿度の高い梅雨の季節には、この傾向が強くなります。したがって防水作業着を選ぶ際には、この点も計算に入れて、透湿性の高いものを選ぶことが、大切なポイントになります。
透湿性が十分に機能する防水作業着であれば、蒸れを最小限に抑えて、仕事も快適に進めることができます。最後に大切なポイントは、耐洗濯性が高く、お手入れが簡単であることです。屋外での作業は泥やホコリなどにより、作業服が汚れることも珍しくありません。
毎回汚れる度に洗濯をして、清潔感を保つことも大切でしょう。ただし洗う頻度が多くなったり、洗う力が強すぎる場合には、素材へダメージを与えることになり、防水性や撥水性あるいは透湿性の劣化を招きかねません。したがって家庭用洗濯機でも手軽に洗える一方で、耐洗濯性が高い防水作業着を選ぶことも、忘れてはならない重要なポイントです。
防水性を判断する際に必要になる指標、耐水圧とは?
前述したように、防水作業着を選ぶ際には、防水性の優劣が大切なポイントになります。ただしそれを理解していたとしても、実際に商品を前にした時に、どのようにして防水性の優劣を見極めるのか、わからない方がほとんどでしょう。
そこで必ず注目したいのが「耐水圧」です。これは水分が服の生地に浸透しようとする際に、それを抑制する能力を表す指標のこと。この耐水圧の数値を見れば、どの程度まで水の影響を受けずに防水できる服なのか、ハッキリと知ることができます。
なお耐水圧の数値を知るには、製品のラベルやタグなどに記載されていることが多いので、しっかりチェックしましょう。耐水圧の算出については、広げた生地に1平方センチメートルの筒を立て、そこへ徐々に水を入れていき、水圧に耐えられる限界の高さで数値化します。
ちなみに、このように算出された数値を参考にすると、小雨に耐えられるレベルが300mm、中雨に耐えられるのが2,000mmで、大雨では10,000mm。そして嵐に耐えるには、20,000mmもの耐水圧が必要になります。
なお市販のナイロン傘の耐水圧は、平均して約250mmのものがほとんどです。この点、防水作業着の場合には、できるだけ耐水圧の数値が高めのものを選ぶのが理想です。人の身体と直接触れる作業着は、様々な動作をすることで圧力が加わる分、耐水圧の数値も多めに見積もる必要があるからです。
例えばある実験データでは、体重約70kgの男性が濡れたベンチに座ると、約2,000mmの圧力がかかります。
さらに、濡れた路面に膝をついた状態の圧力では、約11,000mmにもなります。もちろん体重が70kgより多ければ、さらに数値の高い防水作業服を求める必要があります。いずれにせよ、人の体重が加わる作業着の場合には、なるべく耐水圧に優れた防水作業着を使用する方が、何かと無難と言えるでしょう。
衣類内の不愉快な蒸れを避けるには、透湿性をしっかりチェック!
防水作業着を選ぶポイントとして、防水性と並んで重要なのが、透湿性であることは既に述べました。この透湿性とは、衣服内に漂う水蒸気や汗を、どこまで生地が排出できるのか、数値化した基準のこと。簡単に言ってしまえば、どのくらい蒸れずに済むのかという指標です。
実際には、24時間あたりの水分排出量をグラム単位で表します。ただし防水作業着を選ぶにあたっては、闇雲に透湿性の高いものを選べばいいわけではありません。個人一人ひとりの体質によって、発汗量は異なるからです。
したがって、まずは自らの発汗量を適切に把握することが必要になります。参考までに、一般的な成人男性の発汗量をみると、安静時では1時間あたり約50g(24時間で約1,200g)、軽い運動をすれば約500g(24時間で約12,000g)。
そしてジョギングのように比較的激しい運動になると、1時間あたり約1,000g(24時間で約24,000g)にも達します。これを目安にすると、衣服内の蒸れを最小限に抑えたい時には、最低でも5,000gの透湿性があるものを選ぶとよいでしょう。
もっと肌をサラッとした状態にしたいのであれば10,000g以上、できれば20,000g以上のものを選ぶのが理想的です。前述の発汗量のデータを見てわかるように、安静にしていても、意外と汗はかくものです。
これが1日中身体を動かす仕事になれば、さらに汗をかくことになります。
まずは自分の体質を把握した上で、1日の作業量にふさわしい防水作業着を選ぶことが肝心です。
これができれば、衣類内の蒸れを気にせずに、快適に作業が進むことでしょう。
ゴアテックスの防水作業着を選ぶメリット
ここまで防水性や透湿性の重要性について述べてきました。その両方をバランスよく併せ持った素材、それがゴアテックスです。防水性においては、水や雨あるいは風など外部のマイナス要因を完全にシャットアウト。同時に高い透湿力により、衣服内の不愉快な蒸れを防止し、常にドライな状態をキープします。
そのうえ保温性も抜群。冬場の寒風や降雪地帯でも、体温を落とすことなく、しっかり身体をガードします。ゴアテックスでもう1つ見逃せないメリットは、十分な耐洗濯性を持っていること。長期間にわたり何度も洗濯を繰り返しても、初期の高性能な状態のまま、素材の機能を保持し続けます。
このようにゴアテックスであれば、防水性・透湿性・保温性などにおいて、最高のパフォーマンスを発揮することができます。もちろんゴアテックスを取り入れた作業着を使用することで、素材の特性やメリットを最大限に享受することが可能です。
ゴアテックスの防水作業着を洗濯するには?
毎日使用する作業着だからこそ、手軽に洗濯できて、何度洗っても素材の機能が落ちないことは、防水作業着を選ぶ際の大切なポイントです。この点、ゴアテックスの作業着であれば、耐洗濯性に優れる上、お手入れも楽々快適です。
そこで次に、具体的な洗濯の方法やポイント等について、詳しく説明しましょう。ただしゴアテックスを洗濯するにあたっては、衣服のタグや説明書などに記載されている、洗濯表示を守ることが大前提となります。まず洗濯機で洗う際には、洗濯洗剤を少量入れて、30℃以下のぬるま湯で洗うことが理想的です。
とは言え、柔軟剤や漂白剤あるいは染み抜き剤などは、使用を避けるべきでしょう。また、すすぎ洗いを基本とし、絞り洗いはしないように。いずれも、ゴアテックス本来の機能にダメージを与える恐れが大きいからです。その一方で、ドライクリーニングであれば、ほとんどのゴアテックス製品で可能です。
ただし、ファスナーや反射材といった付属物がある衣類では、ドライクリーニング不可の場合もあるので、洗濯表示をよくチェックしましょう。この他のポイントとしては、ファスナーやボタンあるいはマジックテープの部分を閉めたままにして、洗濯をすること。
衣服の型崩れを防止し、ファスナーやマジックテープの劣化を防ぐことができます。また乾燥についても、絞ることをせずに、日陰で吊り干しがベストです。これも衣類の型崩れや、ゴアテックスの機能低下を回避することが目的です。
なお保管については、直射日光や高温多湿な場所は避けて、ハンガーなどで吊るして保管するとよいでしょう。